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夏目漱石から見る現代世相、生き抜くヒントは中にあるか [世相雑感]

猫塚.png

生まれたばかりの子猫が家に入り、ミャーと鳴く。
外へつまみ出してもいつの間にかまた中に。
見かねて「置いてやりなさい」と妻に声を掛けたことが、創作のきっかけとなったらしい。
「吾輩は猫である」の誕生秘話だ。

夏目漱石の生誕から9日で150年となる。
晩年を過ごした東京・早稲田の家の跡地を訪れた。
生前飼っていた猫たちを弔った「猫塚」の複製があった。
傍らで記念館の建設も進む。
いずれ観光スポットとなろうか。

「かんしゃく持ち」のイメージの半面、世話好きの面もあったようだ。
作家として立ってからも鈴木三重吉ら弟子を毎週、この家に招いた。
病と闘う時期だが、世を動かす知識人を育てたいとの使命感があったという。

「行人」は、その頃の名作だ。
「自分に誠実でないものは、けっして他人に誠実であり得ない」という言葉がある。
明治人の生きる苦悩をつづったのか。
いま漱石ブームが再燃するのは現代の閉塞感に苦しむ若者の共感を呼んでいるのかもしれない。

漱石の言葉は今を生き抜くヒントにもなろう。
文豪の代弁か、小説の中で面白おかしくも文明批判をした「吾輩」。
また猫に生まれ変わったら今の世をどう嘆くだろう。




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のどかな童謡の中に時代の悲哀を映す、夕焼け小焼けーの赤とんぼ、、、 [世相雑感]

民法改正.png

口ずさむたび、美しい夕景が目に浮かぶ。
童謡の「赤とんぼ」。
詞を書いた三木露風が遠い日、子守の少女の小さな背に負われて見た光景だという。
だが3番の歌詞は切なくなる。
「15で姐(ねえ)やは嫁に行き」

露風の幼少期は珍しくなかったのだろう。
明治の旧民法では女性は15歳で結婚できた。
早いと驚く人もいようが、今も16歳以上である。
片や男性は18歳以上。
差別的と国連に批判されてきたことはそう知られていない。

女性の発達は早い・・・。
そんな理由で戦後も2歳の差が残った。
民法改正で成人年齢を引き下げるに当たり、ようやく18歳に統一される流れに。
男女平等はむろん女性活躍がうたわれる世である。
遅すぎたと言われても仕方がない。

中には少子化なのに大丈夫かと懸念の声もあるらしい。
1歳でも早く結婚した方が子供を多く生めるという理屈なら、それこそが女性を結婚から遠ざける一因ではないか。
16、17歳の結婚も約1400人と多くない。

童謡は続く。
お里の便りも絶え果てた、と。
露風のまぶたの姐やはその後、どうなったのだろう。
息の詰まる時代でも、とんぼのようにすいすい舞った女性であってほしい。
口ずさむたびに思う。




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節分の豆知識、時代の闇を払う趣旨は変わらない [日記・雑感]

節分.png

民放のバラエティーで一つ勉強をした。
渡辺の姓の人は、節分の豆をまかなくていい。
そんな言い伝えがあるそうだ。
平安時代、都で鬼の腕を切り落とした渡辺綱(わたなべのつな)を後世の鬼も恐れるからだと。

「鬼は外」が平安京の闇と深く関わる歴史を思い起こさせる。
もとは宮中で大晦日に営まれた儀式。
四つ目の面をかぶった鬼やらいの役が盾と矛を打ち合わせ、魔を追い払う・・・。
限られた神社で受け継がれる姿が節分の営みとして広まったらしい。

次第に前向きな意味も備わったのだろう。
民俗学者の折口信夫は節分の世の高揚感を「冬が行き詰まって、春が鼻の先まで来ている」と言い表している。
季節の変わり目に健康を気遣い、立春を迎える。
その実感が現代に薄れたのは仕方ないのだが。

ことしは無病息災を願ってかぶりつく「恵方巻き」の商戦がさらに過熱している。
マグロにイクラ、ズワイガニなど豪華具材はバブル期を思わせる。
家族で豆を投げる節分もいい。

いにしえの闇は消えても矛盾だらけの世に鬼はいくらでもいる。
かの国の大統領に豆をぶつけたい向きもあろう。
暦どうり、昼間の日差しには春の訪れを少し感じ始めた。
世界全体の健康長寿を切に願う。




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甦れ東芝!!かつて時代を動かした開発魂で!! [世相雑感]

 東芝の危機.png

一説によると、かつて日本企業では契約書の作成コストが欧米の3倍かかったという。
アルファベット26文字に対し、漢字は数えきれないほど。
数少ない和文タイピストに頼るしかなかった。

高度成長期はその前に連日の順番待ち。
誤字は打ち直しで、大変な手間を取っていた。
その光景を変えたのが1978年、東芝が最初に発表した日本語ワープロだろう。
キーボードをたたけばだれでも簡単に。
ものづくり企業の輝きを見せたといえる。

ワープロに次いでノートパソコンも世に送り出した東芝の青梅事業所が不動産会社に売却され、この春閉鎖する。
不正会計などで会社自体が存亡の危機にあり、ほかにも虎の子の半導体事業まで分社化することに。

分かれ道は2006年の米原発メーカーの買収だったのだろう。
その5年後に福島で手掛けた原発で事故が起き、業績が低迷する。
原発事業の巨額損失が屋台骨を揺るがした。
契約のみ通しが甘かったのは、明らかだ。

眼光紙背に徹す・・・。
格言は物事の裏を見抜く力を解く。
福島で廃炉作業を担う東芝は燃料デブリ発見の重責を負うロボットも動かす。
単なるビジネスではない。
時代を動かした企業の意地と輝きを今こそ。




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タグ:東芝の危機
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ナショナリズムかグローバリズムか、世界構造の骨格が揺れる [世相雑感]

ナショナリズム台頭.jpg

直木賞作家の西加奈子さんの最新作「i」は、シリア生まれの少女アイが主人公。
彼女は世界で起きた大災害やテロによる死者の数をノートに書き留めずにはいられない。

米国人の父と日本人の母の養子で、日本で暮らす。
しかしアイは「どうして自分だったのだろう」と恵まれた境遇への罪悪感を振り払えない。
養子になれなかった祖国の子供たちにも、遠い国での悲劇にも思いをはせる。
痛々しいまでの想像力で。

物語には実際のニュースが登場する。
9.11テロや福島の原発事故。
世の厳しさに揺れるアイは、今の米国の現実にも当惑するに違いない。
トランプ米大統領が空港まで築いた「国境の壁」に、内外の混乱は広がるばかりだ。

全ての難民と、シリアなどイスラム圏7か国市民の入国禁止は、どう考えても人権侵害だろう。
自由と平等をうたってきた「移民の大国」はどこに。
デモは厳しさを増し、提訴も相次ぐ。
リーダーの顔色をうかがっていた米企業も反発し始めた。

小説の題名には、困難な世に向き合う「I(私)」の意味もにじむ。
私たちの国の政府も抗議すべきだ。
他者への想像力を欠く米国ファーストは、民主主義を壊してしまうと。




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平和あってこその野球、いよいよあすからキャンプイン [スポーツ]

 キャンプイン.jpg

胸が躍る。
あすプロ野球キャンプインを迎える。
広島東洋カープにはファンならずとも注目が集まりそうだ。
連覇の課題は「黒田抜き」の投手陣か。
沢村賞を受けたジョンソン投手が今季も大黒柱となるのは間違いない。

球春を前に、栄誉のある賞の名を今一度思い起こしたい。
プロ野球草創期の名投手・沢村栄治である。
1日で生誕から100年。
出身地の三重県伊勢市で記念の「全力石」が除幕される。

空に向かって左足を大きく上げる。
知られるフォームは全力投球そのものだ。
最盛期にには約160㌔出たらしい。
1934年の日米野球では弱冠17歳にしてベーブ・ルースらをきりきり舞いさせ、球界の伝説となった。

その先の悲劇には胸が詰まる。
巨人で初代MVPとなるが招集令状を受ける。
中国戦線で重い銃をかつぎ、手榴弾を投げ続けて肩を壊した。
復員しても球威は台無し。
ついにチームを解雇され、軍需工場で働くまでに。

3度目の招集で南方に向かう途中、27歳で海に消える
生きて球場に戻る・・・。
沢村の名こそ残るが、その最後の願いの重みは次第に埋もれてはいないか。
野球を楽しめるのも平和あってこそ。
心に刻み、全力プレーを応援したい。




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本当に失って怖いのは物より時間、時間泥棒は命も縮める [世相雑感]

時間泥棒.png

ドイツの作家、ミヒャエル・エンデの小説「モモ」には、ゆったりとした豊かな時間を奪われ、あくせく働く大人たちが描かれる。
少女モモが盗まれた時間を取り戻すために大奮闘する物語だ。
今年の暦を繰りながら時間泥棒の話を思い出した。

2月の建国記念の日をはじめ、4月の昭和の日と9月の秋分の日、12月の天皇誕生日の計4回の祝日が土曜日と重なる。
週休2日なら年間4日も休みが減ってしまう。
損したような気持になる人もいるのではないか。

「まるで休日泥棒ではないか」「休みを返して」との嘆きが聞こえてきそうだが、残念ながら日曜日のように振替休日の定めがない。
かつては「ハッピーフライデー」も検討されたが立ち消えに。

今は時代も変わり、官民を挙げて「働き方改革」を叫ぶ声が高まっている。
できるだけ残業を減らし休日取得も増やすべきだと。
過労死につながるような長時間労働を是正する時だろう。

ぼやく話ばかりでもない。
暦の上で休みは減るかもしれないが、土曜日を含め3日以上の連休の数は例年並みだそうだ。
心のゆとりを失わないようリフレッシュできる休み方を身につけ、時間泥棒に負けないようにしたい。




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タグ:時間泥棒
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消えた言葉浮かんだ言葉、30年の月日は時代を変える [世相雑感]

現代学生百人一首.png

今や新聞で「介護」の2文字を見掛けない日はない。
さて、それが当たり前になったのはいつか。
こんな五行歌を詠んだ人がいる。
ふと調べた/三十年前の/国語辞典に/介護の記載がない事実に/愕然とする(梶本千恵美)

30年という時の波間に消えた言葉があれば、浮かんだものもあるだろう。
公募で毎年100首を選んでいる東洋大の現代学生百人一首が30回目を数えた。
その作品にも時流は映っている。

第一回の入選歌には見当たらなかった超高齢化の影が今は差す。
<見回して祖父、父、母と名を呼ぶが祖母は私を思い出せない>。
広島医師看護専門学校から入選した3首の中にもある。
<しゃべれない患者の顔を凝視する少しだけでもわかりたいから>

30年前は、慕う相手の家にかけられず電話ボックスで座り込む少女の歌があった。
今は本人直通のスマホ時代。
SNSリアルとキャラを使い分け本当の自分はどこにいるのか>。
手軽につながるがゆえの悩みものぞく。

小学生以上の若者が参加し、応募総数は年間5万首を下らないという。
いにしえより脈打ち続ける短歌の伝統が頼もしい。
学生版万葉集を編む日も、そう遠くないのかもしれない。




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54年ぶり街にスポット、輝け聖地呉よ高校球児よ! [世相雑感]

聖地巡礼.jpg

「聖地巡礼」ブームらしい。
歌や映画の題材となった地をファンが訪ね歩く。
戦時中の暮らしを描いて大ヒット中のアニメ映画「この世界の片隅に」の舞台、呉市でもロケ地マップを手に散策する人の姿を見掛ける。

高校球児の「聖地」に今度は呉から足を運ぶ。
あこがれの甲子園である。
きのう呉高のセンバツ初出場が決まった。
市内からは実に54年ぶりだ。
創部10年の朗報に喜びもひとしおだろう。

飛び抜けた選手はおらず全員が「主人公」。
地道な練習と泥まみれの全力プレーで強豪校に挑んできた。
授業中に居眠りをすれば反省文。
負けた試合後は納得いくまで素振りを重ねる。
ひたむきな姿は応援したくなる。

この半生記、実績は片隅に追いやられた感もあるが、呉には「野球市」と呼ばれた時代があった。
体力強化を目的にした海軍工廠チームが全国に名をはせ、戦後も「ミスタータイガース」藤村富美男氏ら逸材を出した。
そう思えば長い雌伏だった。

映画の観客動員は100万人を突破した。
もはや社会現象といえるだろう。
呉の街に親しみを感じ、甲子園でもアニメと同じくエールを送ってくれる人がいるかもしれない。
最高のドラマを見せてほしい。




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クールジャパンマーケティング、見られ理解されて魅力は伝わる [世相雑感]

クールジャパン.png

和太鼓や三味線の演奏から、コスプレ衣装の歌にダンスアニメ映像まで。
日本の今昔の魅力を詰め込んだような劇を見た。
「SAKURA」。
普段は歌舞伎座などを手掛ける東京・明治座で上演中のナイトショーである。

明治時代に創業した老舗が、なぜそこまで。
訪日客を増やすインバウンド戦略の一環という。
ジャパンには夜に楽しめる場が少ないとの声を受け、公演も夜のみだ。
来ていた外国人たちには「クール(洗練された文化)」に映っただろう。

さらに目を引いたのは、ハイテク技術だ。
スマホが幾つもの言語で歌詞を翻訳してくれる。
劇の内容や土産物を説明する館内のロボットは東広島市で製造されたと聞いた。
伝統芸能と技術の融合は確かに受けたそうだ。

こうした外国人向けの文化行事は各地で相次いできかくされている。
既存の美術館なども外国語の案内に力を入れる。
東京五輪を控え、日本文化の魅力を知ってもらうチャンスでもあろう。

中国は今日から旧正月の春節の大型連休を迎える。
ことしもあちこちで多くの訪日客を見掛けるに違いない。
地方にもっと足を延ばしてほしい。
手の込んだ仕掛けは無くても、文化や自然を満喫できるありのままの舞台は整っている。




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